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地質学的特徴
山の中央部は、地下のマグマの上昇圧力により、毎年3mmずつ上昇を続けている。また、黒曜石の産地でもあり、朝鮮半島北部の旧石器時代から新石器時代の遺跡で出土する石器に用いられる黒曜石の産地は白頭山であることが多く、既に黒曜石を介した交易が存在したとされている。 なお、海溝の沈み込み帯から離れ過ぎた位置に存在している火山のためマグマの成因が不明であったが、2009年9月から3年間かけた地球深部の三次元構造調査・研究の結果、中国北東部(白頭山)の地下に沈み込んでいる太平洋プレートのマントル遷移層スタグナントスラブに、大きな穴が空いていることが発見され、穴と白頭山の成因に関連性があると考えられている。 火砕流のなどの火山活動の痕跡が多く残っているため、2024年に中国側がユネスコ世界ジオパークに指定された。

気候
長白山の気候は基本的にモンスーンの影響を受ける温帯の大陸性気候であるが、非常に移り気である。
山頂の年平均気温は摂氏マイナス8.3度である。夏の間は18度に届く時もあるが、厳冬期はマイナス48度にまで下がる時がある。
1月の平均気温はマイナス24度、7月の平均気温は10度であり、一年のうち8ヶ月は気温はマイナスにまで下がる。
山頂の平均風速は秒速11.7m、12月には平均で秒速17.6mの強風となる。平均湿度は74%。

歴史
長白山は渤海が滅亡する926年までは渤海領であり、その後は渤海を滅ぼした契丹(遼)の領土になった。その後は金の領土、モンゴル帝国の領土と変遷していった。 朝鮮人が長白山を領有するようになったのは李氏朝鮮の世宗(在位:1418年 - 1450年)の時代になってからであり、世宗は鴨緑江・豆満江沿いの要塞化を進め、長白山は朝鮮民族と北方民族との境界となった。

スポーツ
中国の吉林省長春市で開催された2007年アジア冬季競技大会と2009年冬季ユニバーシアードは大成功を収め、これをきっかけに、中国政府は黒竜江省ハルビン市と中国側の長白山地域(長春)にて、2018年冬季オリンピックの招致に立候補することを表明していたが、最終的に立候補を見送っている。